当専攻は、地球及びそれを取り巻く惑星・太陽系・宇宙について、できるだけ多様な手法・視点で教育・研究を行う。現在の地球は、いくつかのサブシステム(固体地球圏、大気圏、水圏、生物圏、人間圏)から構成されており、その外側を惑星・宇宙システムが取り囲んでいる。地球と惑星・宇宙に関わるシステムをミクロからマクロのさまざまな階層にわたる連関に着目して、また、サブシステム間の相互作用に注目して、観察、観測、理論、実験を通して解明する。特に、地球表層付近の変動機構及び惑星系の形成・進化について総合的に考察する。
当専攻は、21世紀COEプログラムの一つとして選定されている。

地球環境の将来が人類にとって切実な問題になっている現在、広い宇宙の中の地球を、過去から未来に向けて総合的に把握できるような、地球惑星システムに関する高度な科学的専門知識と広い視野をもった人材を養成する。あわせて、地球表層のシステム、惑星・宇宙システム、自然環境システムに関する世界水準の研究を進め、高度な能力を持つ人材の養成を目指す。
固体地球及び大気水圏における諸現象、特に地震、火山、活断層、大陸移動、大陸変形、地殻進化、大洋底ダイナミクス、地磁気、海洋、熱帯アジア気候、地球流体運動等に関する観測・実験・理論についての教育研究を行う。手法としては、地球物理学的手法、地質学的手法、計算機実験等を用い、個々の現象とあわせそれぞれのシステム間の相互作用についても理解を深め、さらに災害科学と環境科学をも視野に入れる。

地球及び他の惑星の大気圏・水圏の構造と力学、気候・環境変動に関する観測・理論・数値実験的な教育研究を行う。

授業科目

  • 気候変動物理学 (未定)
  • 地球流体物理学 (岩山 隆寛 助教授)
  • 気象海洋学特論

KH不安定により発生した渦が衝突併合する様子のシミュレーション

火山噴出物の調査・分析・計算機実験を通じて、噴火機構、火砕流の発生・流動・堆積機構等の物理モデルの教育研究を行う。

授業科目

  • 火山物質学 (佐藤 博明 教授)
  • 火山地質学 (鎌田 桂子 助教授)

ハワイ巡検での高温溶岩の採取風景

野外観察と地中レーダ探査、モデル実験に基づいた地球表層部のダイナミックな動きや、地殻の変形、地殻の進化に関する教育研究を行う。

授業科目

  • 構造地質学 (宮田 隆夫 教授)

紀伊半島西部における中央構造線(活断層)の地中レーダ画像

地球物理学等の手法による観測にもとづいた、海洋底の現在の構造と、地球の46億年間の進化・発展に関する教育研究を行う。

授業科目


神戸大学で開発した海底電位差磁力計

現海洋・古海洋の環境、固体地球の変遷と古気候、人類を含む生命の進化と環境に関する教育研究を行う。

授業科目

  • 地球環境進化論 (兵頭 政幸 教授)
  • 地域地質環境論 (田結庄 良昭 教授)

製鉄所由来の大気中の重金属微粒子(鉄球)


上から2億年前、6500万年前
地球環境・生命の進化を支配する海陸分布

造構論的地震発生論や地震発生過程、地震発生場の構造、地震ダイナミクスに関する教育研究を行う。

授業科目

  • 造構論的地震発生論 (石橋 克彦 教授)
  • 地殻物理学 (石橋 克彦 教授)

1995年兵庫県南部地震の「震度7帯」
出現メカニズムの模式図
太陽系惑星の起源と進化、隕石・宇宙塵等宇宙惑星物質に関する実験と理論解析、銀河宇宙における諸現象に関する観測と理論、その背後の数理現象に関する教育研究を行う。計算機実験を中心とした数学・物理学的手法と顕微鏡観察・分析を中心とした鉱物学・化学的手法を用い、惑星・宇宙システムの理解を深める。

惑星間空間に存在する固体微粒子・小天体などの理論的、観測的考察に基づいた太陽系及び系外惑星系の起源、進化に関わる総合科学の教育研究を行う。

授業科目


生まれたての天体を取り巻く原始惑星系円盤

太陽系の誕生から惑星が形成されるまでの過程における物質進化と環境変化について、鉱物学、化学、同位体年代学の立場で教育研究を行う。

授業科目

  • 宇宙惑星化学 (未定)
  • 惑星物質学 (留岡 和重 教授)

46億年前の太陽系星雲のちりが集まってできたと考えられている隕石(横幅8cm)

宇宙構造の形成と進化及び太陽系形成過程における惑星物質の物理的・化学的進化について物理過程に重点を置いた教育研究を行う。

授業科目

  • 計算宇宙物理特論 (未定)
  • 太陽系形成論 (中川 義次 教授)

降着円盤の数値シミュレーション

自然と生命界での創発過程及び起源と進化について理論と計算機実験、動物実験をあわせた教育研究を行う。

授業科目


不安的環境下での2セル同期(白)・非同期(黒)相図
惑星システムと地球システムの中間に位置する自然環境システムでは、生命をはぐくむ地球圏自然環境で起こる各種の現象を教育研究の対象として、人類の活動の結果として生じている汚染や破壊、その原因となる諸過程の解明を目指す。脳等のもつ複雑な高次機能は、また同時にもっとも鋭敏に環境物質の作用に応答する。そこで本講座では、脳の機能に対する各種の環境物質の作用機作の分子生物学的な解明をはじめ、環境化学物質の検出や分解・除去、紫外線や太陽・宇宙放射線の地球圏自然環境における役割、これらの諸過程における主要な物質の変動やエネルギー・光の物理的素過程の追究等を通じて、地球圏自然環境で生ずる諸現象に対する総合的な教育研究を行う。

各種の環境物質の脳等のもつ高次生命機能に与える影響とその過程に関する分子生物学的な実験および理論による教育研究を行う。

授業科目

  • 高次生命機能環境論 (田中 成典 教授)
  • 形態形成論 (安達 卓 助教授)

ダイオキシン受容体による細胞(黄)の死(紫と青)

環境中に存在する生理活性物質に対する細胞、組織、個体各レベルでの生物応答に関する教育研究を行う。

授業科目

  • 細胞応答論 (榎本 平 教授)
  • 環境生物生理応答論 (尼川 大作 教授)
  • 染色体ゲノム動態 (近江戸 伸子 助教授)

マルチカラーFISH法による
ヒト染色体の完全識別同定

酵素やDNA等の生体高分子の機能制御、及びそれらの知見に基づいた環境物質の分解や検出に関する教育研究を行う。

授業科目

  • 生体触媒応用論 (上地 真一 教授)
  • 生体超分子化学 (江原 靖人 助教授)
  • 環境物質計測解析学 (薺藤 恵逸 教授)

機能性人工DNAの創製

生体分子の紫外線・X線に対する物性や化学進化等を含む各種の生物現象について、化学物理学・物性物理学的な観点からの解明を目指す実験及び理論による教育研究を行う。

授業科目

  • 紫外線・放射線作用論 (中川 和道 教授)
  • 生物光特性論 (未定)
  • 表面・界面特性論 (蛯名 邦禎 教授)

アミノ酸のX線吸収スペクトル測定(SPring-8)

宇宙環境における高エネルギー粒子や光子の特性、発生機構、それらを媒介とした宇宙の諸物理現象の探査に関する教育研究を行う。

授業科目

  • 基本粒子現象論 (未定)
  • 星間物理学 (伊藤 真之 助教授)
  • 基本粒子計測論 (青木 茂樹 助教授)

超新星残骸Cas A (NASA/CXC/SAO提供)と原子核乾板でとらえた原子核反応

 【人類紀環境講座】人間の環境は、大きく自然環境と人為環境の二つに分けることができる。人間が文明を創出して以来その二つは、複雑に絡みあって現在の人間環境になるに至った。人間が文明を創出する以前における二つの複合した人間環境の変遷を明らかにする教育研究を行う。
 【大気海洋環境科学講座】近年緊急性を増している地球環境問題解明に密接に関係する、大気・海洋・水循環等の諸現象について、全地球観測、海外観測、数値モデル応用、広範な分野との学際的取組みなどを含む大規模プロジェクトを背景とした教育研究を行う。

地球史における人類の発生から人類の環境は、自然と人為が複雑に絡み合って変遷してきた。その歴史を明らかにし未来のあり方を探る教育研究を行う。また、人類紀地圏環境を形成する基盤となった第四紀テクトニクスにたいして放射年代測定法を用いて時間軸決定を行い、人類紀のグローバルな環境の正確な時間的な変遷を解明する。

授業科目

  • 人類紀年代学 (板谷 徹丸 教授)
  • 第四紀テクトニクス (宇都 浩三 教授)
  • テフロクロノロジー (兵藤 博信 助教授)
[ 岡山理科大学自然科学研究科 ]
[ 独立法人 産業技術総合研究所 つくばセンター ]

雲仙火山形成史と
三次元構造解明のための科学掘削

全自動レーザー段階加熱装置による年代測定

大気および海洋の何れとも密接に関連した重要課題である、「大気中の水蒸気輸送過程(モンスーンなど)を中心とした全地球的水循環」、「大気海洋相互作用(エルニーニョなど)を中心とした気候変動」などに関する教育研究を行う。特に、アジア・太平洋・インド洋地域での観測的研究や、数値モデルを応用した研究などを重点的に推進する。

授業科目

  • 大気海洋相互作用論 (山中 大学 教授)
  • 地球規模水循環論 (荻野 慎也 助教授)
[ 独立行政法人 海洋研究開発機構 ]

インドネシア・スマトラ島での高層気象観測